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6月23日 バラマキで何が悪い!②

それでは。

 

子ども手当てのような「現金の直接バラマキ」と、公共事業のような「従来型のバラマキ」は、どちらも同じ「税金の無駄遣い」なのか?という話の続きです。

 

この問題については、以下のように考えるとすっきりするのではないかというのが、今のところの私の考えです。

 

「ここに空腹の人がいます。この人を助けるために、あなたはどうしますか?」

①:魚を一匹あげる

②:釣竿を渡し、魚の釣り方を教える

 

勘の鋭い方は、これだけで私の言わんとすることが分かったと思います。①が「現金バラマキ」で、②が「公共事業」に相当します(公共事業といってもさまざまなので、完全に一致はしませんが)。「公共事業」というよりは、「成長戦略に基づくインフラ整備」といったほうが正確ですね。では、詳しくご説明いたします。

 

空腹の人に魚を一匹あげた場合、それを食べれば空腹は癒されます。しかし、魚一匹は食べてしまえばそれまでで、しばらくするとまたおなかが減ってしまいます。そうすればあなたはまた、その人に魚を一匹あげなければいけなくなります。

 

一方で、魚の釣り方を教えておけば、その人は、自力で魚を釣り、自分で空腹を癒すことができるようになります。また、もしかすると、その人の腕がよければ、一日一匹ではなく、十匹も二十匹も魚が釣れてしまうかもしれません。そうすれば、その人は、自分のお腹を満たすだけではなく、他の飢えた人に魚を分けてあげることすら、できるようになるでしょう。

 

もしここで、偉い人が「皆さんが空腹にならないように、一日三匹、必ず全員に魚を配ります」と宣言したらどうでしょうか。「何もしなくても魚がもらえるなら、わざわざ苦労して魚釣りしなくてもいいじゃん」ということになりませんか?

 

そうして魚をもらう人の中には、十匹も二十匹も魚を釣る才能を持った人がいたかもしれません。しかし一日三匹魚をもらう生活を続ければ、魚釣りをしようという気がなくなっていくでしょう。また、偉い人から魚をもらう生活が当たり前になっていくと「一日三匹じゃ足りない。もっとよこせ」という人も出てくるでしょう。

 

これに対して、みんなが自力で魚を釣ってくれるようになれば、偉い人もわざわざ、自分の魚を人にあげなくて済むようになります。それどころか、十匹や二十匹釣る人が大勢出てくれば、偉い人が配るよりもたくさんの魚を、みんなが食べられるようになります。そうすれば、「魚をもっとよこせ」と言うような恥知らずな人も減っていくでしょう。

 

どうでしたか?納得のいく話だったのではないでしょうか。以上のような例えで考えてみると、子ども手当てのような「現金の直接バラマキ」の何が悪いか。それは、「現金のバラマキは、配った現金分の価値しかない」ということです。13000円の手当てをもらったとして、それを一回使えばGDPは13000円増えますが、そこでおしまいです。

 

これに対して、「成長戦略に基づくインフラ整備」はどうでしょうか。「お金そのものを配る」のではなく「お金を生み出す手段を作る」ために税金を使った場合です。例えば幸福実現党は「全国にリニア新幹線を整備する」という政策を掲げています。これを実行に移した場合、まず第一に、当然のことながら建築業界が潤います。ここで建設費用分、GDPが増えます。

 

しかしここで終わりではありません。作られたリニア新幹線は、その後もずっと国民に便益を提供し続けるわけです。今まで電車を使っていた人が、移動手段をリニア新幹線に変えることによって、時間を節約でき、多くの仕事を効率的にこなせるようになる。また、休日には遠くまで遊びに行けるようになる。これによって生み出される価値はどのくらいになるのでしょうか?リニア新幹線が使われるたびその分お金が動くので、GDPは増え続けます。

 

また、リニア新幹線ができれば、沿線にたくさんの店ができ、そこで働く人の雇用も生まれます。国に面倒を見てもらうのではなく、自分で自分の生活の面倒を見ることができるようになります。そこで買い物すれば、そこでもGDPは増えます。そうなれば所得税などの税収も増え、生活保護や失業手当などの、社会保障に要する費用も、割合的に減っていくでしょう。

 

「リニア新幹線」という例えで書きましたが、従来型の公共事業にも、このような側面はあったわけです。例えば高速道を整備して、生活が便利になることは、継続的に価値を生みます。どう考えても、一回限りの「現金の直接バラマキ」よりは、こちらのほうが優れていると言わざるを得ません。

 

「地域振興券」「定額給付金」「子ども手当」、政府が行ってきた現金の直接バラマキ政策は色々ありますが、これらは、額面分以上の価値を生むことは基本的にないと言っていいでしょう。こう言うと「同じお金が2回、3回と回っていけば、GDPは額面分以上に増えるじゃないか」と反論が来そうなので先に書いておきますが「お金の流通回数を増やしたければ、お金を配るだけじゃ駄目」です。

 

今のご時世、政府からお金をもらったとして、パーッと使う気になる人がどのくらいいるのでしょうか?実際、子ども手当てを「貯金する」という方も相当数いらっしゃいます。経済の先行きが不透明で「一寸先は闇」なのですから、将来に備えて貯金するのは当然の生活防衛です。

 

こうなってしまうと、一定の経済効果を期待して「現金の直接バラマキ」をしたとしても、そのお金は一回も使われずに銀行口座やタンスの中に眠ることになります。そうなればGDPの増加はゼロです。

 

要するに、「お金の流通回数を増やし、景気を良くする」には、国民の皆さんが「お金を使いたい」「お金を使っても大丈夫」と思ってくれるような「将来の明るい見通し」が必要不可欠なのです。これがない限り、いくらお金があっても使われず、景気は良くなりません。

 

その「将来の明るい見通し」というのが「成長戦略」と呼ばれるものです。「今後、日本経済はこのように発展していきますよ。未来は明るいですよ」というビジョンを、国民の皆さんにはっきりと示さなければなりません。これにより、お金を自分で稼ぐ人を増やし、それに加え、お金の流通回数、流通速度を上げ、GDPを増やし、景気を良くすることが大事です。

 

このように考えていくと、明確な成長戦略を持たずに、現金だけばら撒くと言うのは「愚策」以外の何者でもないということが、お分かりいただけるのではないかと思います。経済効果が乏しいだけでなく、国民から努力する気持ちを奪う、悪政というほかない政策です。「選挙向けの公然たる買収」と言われても仕方がありません。

 

以上、バラマキの害悪について書かせていただきました。もっと良い説明の仕方があれば、またご紹介したいと思います。

では、また。

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