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6月15日 政府と日銀の役割について①

読売新聞ニュースからです。

日銀、デフレ脱却で「異例」の時限措置

 日本銀行の白川方明総裁は15日、金融政策決定会合後に記者会見し、デフレ脱却のため日本経済の成長基盤の強化を目指す新型融資制度の詳細を発表した。

 白川総裁は「企業や金融機関などによる日本経済の成長に向けた取り組みが一段と活発化することを期待している」と述べ、金融機関に積極的な利用を促した。

 新型融資制度は、「環境・エネルギー」「観光」など、18の成長分野に対する投融資の実績に応じて、日銀が金融機関に政策金利(現在年0・1%) で融資する仕組みだ。融資額の総枠は3兆円で、8月末をメドに開始する。貸付期間は1年間だが、借り換えを3回まで認め、実質的に最長4年の長期資金を提 供する。

 日銀は、デフレの解消には中長期的に国内産業の成長力を強化することが欠かせないと判断している。短期金利の調節を軸に物価の安定を図る従来型の金融政策と異なる「異例の業務」(白川総裁)に踏み切り、デフレ脱却を目指す。

 ただ、融資枠に上限を設けたほか、融資の新規受け付けも2012年3月末までとし、制度そのものも16年6月末で終了する時限措置とした。

(以上、記事の引用です)

 

デフレ脱却の為には市場にもっとたくさんのお金を流すほかない…という、至極まっとうな判断であると思います。記事には「異例の業務」とありますが、確かにそのとおりです。今まで「市場にお金を流す」のは、日銀ではなく、政府がやってきた仕事だからです。

 

日銀の仕事は、基本的には「インフレファイター」と呼ばれます。景気が過熱しすぎたときに、短期金利の調節などによって市場に流れるお金の量を減らし、インフレを防止する、いわゆる「金融引き締め」を行うことです。要するに、今までの日銀は主に「インフレにならないように市場を監視する」役割を担ってきたわけです。

 

しかし今はインフレなど、影も形もありません。むしろデフレの真っ只中ですので「インフレファイター」の日銀としては、「戦うべき敵(インフレ)がいないので、何をすればいいのか分からない」というのが実際のところだったのではないでしょうか。今回の日銀の判断は「今までやってきたことから逸脱してでもデフレと戦おう」という趣旨ですから、良いことだと思います。これで、日銀は「デフレファイター」の称号も得るかもしれませんね。今後を見守りたいと思います。

 

最初のほうにも書きましたが、景気を良くする為に市場にお金を流すことは、今までは主に政府の役割だったわけです。国債をせっせと刷り、公共事業を行う、これが政府(主に自民党)が行ってきた景気対策だったわけです。

 

とかく悪者扱いされがちな公共事業ですが、景気回復には一定の効果があります。

 

例えば道路を作った場合を考えてみましょう。道路により物流スピードが上がれば、企業の生産性が上がり、企業はより多くの利益を上げることができます。道路が増えて便利になれば「休日はいつもより遠くまで遊びに行こうかな」という家庭も増えるでしょう。これによりGDPが増えれば、増税しなくても政府の税収は上がります。また、道路に使ったお金も、消えてなくなるわけではありません。道路建設に使った税金は道路に形を変え、日本国の「資産」として残ることになります。金銭的価値のある、れっきとした財産としてです。

 

少し長く書きましたが、私が言いたいのは「公共事業即悪」ではない、ということです。公共事業には「必要な公共事業」と「無駄な公共事業」の二種類があるにすぎません。しかし、鳩山前首相の「コンクリートから人へ」のスローガンに表れているように、現政府(民主党)は公共事業を敵視しすぎるきらいがあります。

 

もしも日銀が今までどおり「インフレファイター」の役割のみ果たし、デフレ時には何もせず、政府は政府で「コンクリートから人へ」などといって公共事業を敵視していたら一体どうなるのでしょうか。市場にお金が全然流れなくなり、デフレ不況が長引くだけではないでしょうか。

 

現政権のおかしいところはそれだけではありません。せっかく日銀が頑張って市場にお金を流そうとしているのに、政府(民主党)は逆に「市場からお金を吸い取らなければならない」と主張しています。「財政健全化のためには増税しなければならない」という主張がそれです。一方(日銀)でお金を流し、もう一方(政府)でお金を吸い取っているわけですから、これは車のアクセルとブレーキを一緒に踏んでいるようなものです。

 

むしろすべきことは、日銀は今「やる気」になっているのですから、政府も思い切った景気対策をすることであると思います。政府と日銀が足並みをそろえて市場にお金を流せば、内外の投資家も「日本は本気だ」と感じ、投資も増え、株価が持ち直すのではないかと思うのです。増税で国民のお金を奪うなど、間違っても今現在すべきことではありません。

 

引用記事中には、白川総裁の「日本経済の成長に向けた取り組みが一段と活発化することを期待している」という発言があります。もしかすると日銀は、政府(民主党)に日本経済成長の為の戦略がないことを憂いて、このような判断に踏み切ったのではないかとさえ思えます。

 

幸福実現党を除く他の多くの政党も、参院選に向け「増税は不可避」「増税の議論をするのが責任ある態度だ」と口をそろえて言っています。しかし私には、それが非常に不可解に思えます。成長戦略なしで増税に踏み切ったところで、それによる財政の健全化というのは、ほんの「一時しのぎ」にすぎないということは、少し考えれば分かるはずだからです。

 「増税する(一時的に税収が増え、財政は健全化したように見える)」

→「しかし国民の使えるお金が減る」

→「国民の使えるお金が減れば、モノやサービスが売れなくなる」

→「モノやサービスが売れなくなれば、企業の利益が減る」

→「企業の利益が減れば、法人税、所得税などの税収も減る」

→「税収が減れば、国の赤字が増える」

→「国の赤字が増える=財政が不健全になる」

→「財政健全化のためには、増税するのが責任ある態度だ」

→「増税する(最初に戻る、以下エンドレス)」

 

このような「増税スパイラル」とも言うべき悪循環に陥り、国がだんだん貧しくなっていくことは目に見えています。増税で得たお金は「福祉を充実させる」という名目で、子ども手当てなどのバラマキに消えるのが関の山でしょう。「バラマキで配るくらいなら最初から税金取るなよ」と言いたいところです。

 

民主党としては、選挙で勝つためにバラマキはやめられない、といったところでしょう。選挙までに子ども手当てを満額支給しようとするなど「もうすぐ選挙だから、有権者にお金を配って、いい顔をしたい」以外の意味があるのでしょうか?買収は公職選挙法で禁じられているはずですが、政権与党なら許されるそうです。そんな買収に乗って民主党を支持する国民もどうかと思います。もちろん全員ではないでしょうけれど…

 

少々話がそれました。日銀は、デフレにともない、自分のなすべき役割を変えるべきだと考えはじめていますが、政府(民主党)は自分の役割をどうやら理解していないようです。そうでなければ、このようなときに増税を言い出すはずがありません。財務官僚の言いなりになって「増税、増税」と言っているだけの菅首相に「役割を理解してほしい」というのは、過大な要求かもしれませんが。

 

このブログをお読みの皆様は、ゆめゆめ、まやかしのバラマキ&増税に騙されることのありませんように。

それでは、また。

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